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週刊Neue Fahne

2017年03月13日号

新人に教えるビジネスの常識−4−「“不機嫌な態度”はマナー違反」

 企業組織では社内外を問わず対人関係で不愉快な出来事に満ちている。時には仕事がはかどらずにイライラすることもある。心配ごとがあって気が滅入ることだってある。企業組織での経験を積んだ管理職であるならば“企業組織での毎日の仕事は不愉快で喜怒哀楽の連続である”ということを半ば常識として捉えているはずだ。
 一方でこうした心理状況の時こそ、ビジネスマナーが試されるものだ。このため管理職は自嘲と自戒を込めて「仕事で自分の私的感情を表に出すな」「不機嫌な表情をしてはならない」と自省することになる。さらにいえば自省ができなかった者は、管理職に就いてはいないはずだし、就いてはならない。しかし、毎日の喜怒哀楽は新人にとっては相当のストレスであることを理解する必要もある。

 企業組織では一人で仕事を行う訳ではない。あくまでも組織体としてのチームワークが要求される。つまり、多種多様な人間の共同作業や協働の場である。そこで、感情をそのまま出せば、回りに不快感を与えるのは当然である。もちろん、顧客や取引先に対しても同様だ。何か嫌なことがあったとき、たとえ仕事上のことが原因であっても、その感情をそのまま表情に出してしまうようでは“一人前の社会人、企業人”と評価されることはない。
 仕事の進め方で上司と意見がくい違ったとしても感情的「それは違う!」などと相手を全否定して我を通すことはできない。そのような行為はその後の人間関係がうまくいかなくなることを解っているからだ。もちろん仕事をすすめていくなかでは、反対意見を述べ、別の考えを述べることが必要だ。しかし、自分の意見を述べることと、「自分が絶対に正しい」「私に落度はない」と感情的になって自己主張することとはまったく次元が違う。

 管理職は新人にストレス耐性を強化させていく必要がある。ただし、これまでの自己の経験則にだけに頼り、「自分が耐えることができたのだから、新人も耐えることができるだろう」などと考えてはならない。この種の考え方は大いなる錯覚と時代錯誤であり、時として悲劇的な結果に繋がる。そこで、「あなたの意見も一つの考え方です。しかし、私はこうも考えるのです」という価値観の相違を前提とした人間関係作りが必要となる。
 新人社員は上司・先輩に注意されると、口に出さないまでも「どうして自分だけが…」と思い、無意識に態度に出ることがある。感情を態度に出さないように慎ませる必要はあるが、一方的に指弾しても効果がない。新人がつい反論したくなる気持ちを受容しつつ、この種の態度行為が結局は自ら“働く環境を悪くさせていく”ことに繋がり、不利益をもたらすことを解らせていく必要がある。

 新人を迎えるに当たり多くの企業では新人に対してマナー研修を実施する。しかし、“マナー研修の本番は現場にある”ということを管理職は自覚する必要がある。新人に限らず不満気な顔をしたり、感情的になって反論したりするのは、基本的に自己中心的な仕事の取り組み方を行っているものだ。企業組織での働きは顧客、取引先はいうにおよばず、多くの利害関係者が存在してこそ成り立っている。こうした周りの立場や状況を判断し相手の気遣う気持ちや振る舞いがビジネスマーの前提であり、仕事を円滑に進める潤滑油である。管理職は新人に“不機嫌な態度”はマナー違反であることを教えなければならない。この種の態度は結果的に職場全体の仕事の効率を低下させ、顧客や取引先を失う結果となる。
 管理職は現場において、相互に連携のある仕事をするため、顧客や取引先と良好な関係を保つため、常に個人的な感情を抑えて接することが広義のマナーの基本であることを率先垂範で示していかなければならない。

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