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週刊Neue Fahne

2018年03月19日号

疑問と好奇心が明日を切り拓く

 リーダーシップとは単に自分が先頭に立って旗を振り、全体を鼓舞することであると理解されがちだ。しかし、リーダーシップとは突き詰めるならば「他者に対して如何にして自分の影響を発揮、あるいは行使することができるか」という一点にかかっている。従って、単純な過去の経験に過度に固執する必要もないし、過去経験の蓄積度合で力量を推し量る必要もない。
 むしろ、過去経験はリーダーシップを発揮する桎梏ともなる場合がある。当然のことながら一人ひとりの人間にとって、過去の栄光の上に明日が存在している訳ではない。これは個人も会社組織も同じである。

 管理職には常に変化対応が求められる。変化対応とは常に昨日を捨てて新しい機会に着目するということだ。もちろん、「昨日を捨てる」とは、これまでの経験を忘却することではない。捨てるとは新たな知識を吸収する事でなければならない。つまり、学習が欠かせないということでもある。
 今日は社会変動のスピードが人間の意識変化をはるかに凌駕している時代である。知識の有効性も短くなっている社会でもある。今日の知識さえもが明日には陳腐化してしまうこともある。管理職は常に変革の推進者として、新しい機会に着目し、成果を創造しなければならない。

 このため、管理職は常に新たな知識吸収を怠ってはならないし、これまでの知識をブラッシュアップしていかなければならない。ともすると人間は熟知している分野には盲目的になっているものだ。これは前例の踏襲という意識が強ければ、変化を起こすことを阻害する現状維持のバイアスに陥るということだ。自分がよく知っているがゆえに、新しいアイデアを生むことができないということにもなる。
 この結果、部下の所作や行動に対しても単純に自らの若かりしときとの比較でしか対応できなくなる。有り体にいえば「自分のよく知らない分野」や「これまでの自分の価値基準」と異なる事柄に対して、積極的に触れるということが知識を得る学習の場でもあるということだ。

 管理職が現状維持のバイアスに陥ることなく、常に「昨日を捨てる」ための近道は、物事に「好奇心」を持ち続けるということだ。赤ん坊の口癖は、常に「これ、これなぁ〜に」という疑問符だ。赤ん坊は自分の知らないことを、根掘り葉掘り聞くことによって知識を蓄積していく。管理職も同様に旺盛な好奇心をもって部下を含めた周囲への質問を繰り返し、今起こっていることへの疑問を持ち続けていく姿勢が重要となる。
 そして、この好奇心や疑問が次へのアイデアにも繋がってくる。自分の過去経験に固執して「食わず嫌い」を繰り返しているならば、決して新しいアイデアも生まれてくることはない。結果的に新たな動きや動向を見逃し明日を切り拓く気概さえも失うことになる。

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