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週刊Neue Fahne

2018年08月20日号

管理職が思考すべき職場環境とは

職場の総責任者は、部門を率いる管理職である。従って、管理職には職場の安全衛生を含めた職場環境への配慮義務がある。職場環境とは単に什器備品等のハード面とは限らない。乱暴な言い方だが労働時間もある意味でハードである。従って、管理職が考えるべき職場環境とは、あくまでも日常業務行動を円滑に進め、一人ひとりに適切なパフォーマンスを発揮させていくということでもある。
  有り体にいえば部下一人ひとりに役割認知をさせて、仕事を「自分事」にさせていく環境整備ということである。また、部下の業務行動を単純に“時間の切り売り”思考に陥らせないということでもある。つまり、部下に「仕事がおもしろい」と感じさせ、仕事の成果と自己の成長を乖離させてはならないということだ。

  管理職が部下との接し方で最も陥りがちなことは、部下の行動をかつての自分の若かりしときと比較して捉えることだ。自分の育ってきた時代背景と部下の育ってきた時代背景の違いをわきまえない管理職は、往々にして部下に対して「責任感が足りない」「覇気がない」「言われたことしかしない」という印象を抱くことになる。こうした管理職は結果的に部下と自分を同一レベルに捉えていることになる。
  この結果、部下に対して「そもそもやる気がない」などと叱責する精神論で牽引しようとする愚行に陥る。当然のことながら管理職と部下の背負う課題は異なっている。従って、管理職の「やる気」と部下の「やる気」を同一の地平で語ることなどできるはずもない。こうした違いをわきまえない管理職の精神論は、部下にとって「パワハラ行為」と捉えられることにもなる。

  管理職が部下に対して抽象的な「やる気」の有無などという精神論を振りかざすことは、意味がなく悪弊ともなる。管理職が部下指導で考慮すべきは、職場において仕事の準備、計画、指示等が適切に行われているのか、信賞必罰を含めた職場としてのけじめが(規範)が確立しているのか、という職場環境の点検である。
  つまり、日常業務行動において各人のやるべき仕事が明確で、成果が組織的に共有され、支援や協力を惜しまない組織環境が確立しているか否かということである。こうした職場環境が整っていない現場は、必然的に組織性が弛緩することになり、緊張感も薄れてしまいには職場規律もあいまいになる。

  職場環境を整備するとは単純に「明るく人間味のあふれるムードのある職場」「全員が和気あいあいとした雰囲気」という意味ではない。管理職は方針をめぐって鋭く喧々諤々の徹底的な議論が展開されることを恐れてはならない。何事も無難に過ごせる職場とは、活性化していない職場の代名詞でもある。
  職場内の意思の疎通などは、時として激しい対立ややり取りの中から形成されるものである。管理職は職場内で相互の葛藤が生じることを恐れず、職場を構成する一人ひとりに葛藤の先にある協働意欲を醸し出せる職場環境をつくりださなければならない。

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