人材育成が社員と会社組織の協働を創りだす

HOME >週刊Neue Fahne(OJT担当者の心得 −4− 新人には納得感を与えなければならない)

お問い合わせはこちらから 03-5297-1866

お問い合わせフォーム

株式会社ノイエ・ファーネ

東京都千代田区神田錦町1-4-8
ブロケードビル5階B

TEL.03-6260-5700 FAX.03-6260-5701

週刊Neue Fahne

2019年04月22日号

OJT担当者の心得 −4− 新人には納得感を与えなければならない

新人の育成にあたって管理職を始めとするあらゆるOJT担当者が留意すべき点は、自らが“企業組織の必要とする業務を自分の権限において新人を動かす立場にある”ということだ。つまり、自らかが新人に発する指示・命令、要求には合理性があるというスタンスを持っていなければならない。従って、新人を決して甘やかしてはならず、“毅然とした態度で仕事を与えていく責任”を担わなければならないという覚悟が必要ということだ。
  これは、新人に「仕事をお願いする」という愚行を犯してはならないということでもある。基本的なスタンスはあくまでも「仕事をやらせて、一人でできるようにしていく」という姿勢を貫かなければならない。この視点がなければ新人は、いつまでたっても主導的な働きをするようにはならない。

「指示・命令」と「お願い」を同一視するならば、新人は自分勝手な振る舞いをするようになる。しかし、「指示、命令」は、受ける者に納得性がなければ決して遂行されることはない。このため新人育成において重要となるのは、「指示・命令」を発する側に“仕事の与え方について工夫する”という責任が発生する。
  新人が自分勝手な振る舞いや我流の判断を戒め、相談や連絡をしっかり遂行することができるためには、「指示・命令」を納得して受け止めているか否かにかかっている。新人に対して課せた業務内容の意味や効用を理解させることができなければ、「指示・命令」は発する者の単なる「自己満足」に転嫁することになる。

  新人に「指示・命令」を納得させるためには、「仕事は組織の必要性にもとづいて行う」という原則を管理職やOJT担当者が常に明確に保持していることが前提となる。つまり、管理職やOJT担当者自身が「何をやるべきか、何を優先すべきか」を常に明確に語れなければならないということだ。当然ながら自分都合を排して企業組織の行動規範や基準を明確にするということでもある。
  新人への「指示・命令」は我欲的な動機や場当たり的な気分、さらには感情ではなく、常に組織の必要性にもとづいて発せられていることが明確でなければならない。この点について、仮に一点の曇りでもあれば新人は管理職やOJT担当者の度量や器を鋭く見抜くものである。

  管理職やOJT担当者が「組織としてやるべきこと」を理解していない、あるいは無頓着であるならば、新人は仕事の指示・命令をあいまいに捉えるのは当然である。また、新人を動かすことを安易に考えてはならない。まして、「指示・命令」を発することで“自分の力の発揮できる”などという錯覚をおこしてはならない。この種の行為は「指示・命令をする自分に酔う」という下賤な自己満足に過ぎない。
  管理職やOJT担当者の「自己満足」と「新人の就労意欲」は反比例する。新人は納得性のない「指示・命令」に下では、成長意欲を持つこともなく見切りをつけることになることは必然である。一人ひとりの新人が主導的に進んで仕事をするようなるのは決して容易なことではなく、時間がかかるものである。しかし、新人を前向きに仕事に取り組ませ、成果を挙げさせることが、管理職やOJT担当者に課せられた責任である。

一覧へ

ページのトップ