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週刊Neue Fahne

2019年05月13日号

OJT担当者の心得 −5− 新人を伸ばすことが組織を強くする

一般的に新入社員はことあるごとに「できない理由」を探してしまうことに長けている。これは責任感の有無とは別問題である。OJT担当者は、新人のいう「できない理由」をともすると、意欲が不足していると捉えがちになり屁理屈にさえ聞こえてくるものだ。しかし、新人の「できない理由」とは、とりもなおさず“自分はやり方がわからない”ということをアピールしているに過ぎないと捉える必要もある。
  従って、“やり方がわからない”者に対して、いくら精神論を振りかざしても何ら意味がなく“やり方を教えればよい”と割り切ることも重要である。OJT担当者が先ずやるべきことは「仕事のやり方をしっかりと教える」という行為に徹するということだ。

  仕事のやり方を教えるうえで前提とすべきことは、新人に対して会社が利益を生み出すために必要な業務フローをしっかりと理解させることだ。これは市場において自社が利益を如何に生み出しているのかを理解させるということでもある。つまり「業績ストーリー」をイメージさせることだ。新人が「自分の仕事は会社組織の中でどのように位置づけられているのか」「自分の仕事はどの業務と関連性があるのか」について認識していなければ、何をどのようにやってよいのかを理解できるはずがない。
 新人は「こうすれば必ず成果があがる」という業績に対してのストーリーを自覚することができなければ、自らの報酬の源泉さえ理解できるはずもない。ただし、新人に「業績ストーリー」をイメージさせていくためにOJT担当者自身が、自社のビジョンに裏打ちされた会社の現状を把握し、何が強みで、どこに弱みがあるかを明確に示すことができなければならない。

  新人に向かって単純に「会社の仕事だから…」などという抽象的な説明やお説教は無意味であるし禁物である。OJT担当者は自社の寄って立つ市場における優位性や機会を「自らの言葉」を用いて示していく必要がある。そして新人自身が“自分の行っている仕事がどのように会社の業績に繋がっているのか”を認識できるように導かなければならない。
  同時に新人に対して「あれもこれも」と多くのことを要求しないことが大切である。いかに「重点、集中、徹底」させるかを考えなければならない。「あれもやろう、これもやろう…」は、結局できなかったことへの言い訳の温床にもなる。むしろ、マトを絞った事柄に対して一つ一つ集中し徹底させて実行させ、その結果に対してしっかりとしたフィードバックをしていく必要がある。

  OJT担当者が新入社員の成長を促すには、新人に対し短期・中間の目標を設定させ、四半期ごとに成果を自分の言葉で語らせることが重要である。これは文字通りOJT担当者自身の「評価実践」の場でもある。つまり、きちんとした評価をすることである。そして、新人の成長の兆しを見逃さず適時にフィードバックすることも重要である。
  もちろん成果を挙げた場合には、積極的に評価して、期待感を明確に言葉として示していかなければならない。OJT担当者とは新人を伸ばして、組織を強くすることが最大の務めであることを忘れてはならない。

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