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週刊Neue Fahne

2019年09月02日号

昨日を憂えず、旧態依然とした意識を捨てる

 働いている者にとって「近い将来にAIに自分の仕事が奪われるのではないか」と一喜一憂する以前に考えなければならないことがある。それは現時点において自分の働きが十全なパフォーマンスを発揮しているのか否かという反芻だ。経営環境は日々刻々と変化している。個別企業もこの埒外ではない。ビジネスモデルもあっという間に陳腐化する今日では、当然にも個々の従業員に求められる技能や能力も変化する。
  何よりも従来からの常識的と思われていた行動様式にすがる意識は、そもそも将来を待たず今日でも例外なく通用しない。こうした意識に留まっている者には「AIに仕事が奪われるかもしれない…」と考えること自体が無意味であるということだ。何故ならば既に存在意味をなさなくなっているからだ。

  旧態依然としたやり方や制度に固執する意識から脱却できない者は、将来を待たずとも今日でも自分自身の居場所が確保できないと覚悟しなければならない。単刀直入にいえば旧態依然とした意識の社員を抱えている企業も、早晩社会からの「退出」を迫られるということだ。もちろん、個別企業における制度や施策のすべてが「旧態依然」であり、払拭すべきものであるというわけではない。
  創業時から踏襲している「良き風習」は、より一層磨きをかけていかなければならない。ただ、忘れてはならないのは、「良いもの」であってもそれを金科玉条に祭り上げ、日々磨きをかけることを怠ったならば、それはすぐに陳腐なものに転嫁してしまうということだ。そして、この陳腐化は企業の従業員意識に集中的に現れる。

  企業を構成する一人ひとりの働く意識も千差万別である。ただし、一つ確実にいえることは就労意識に対して、自ら積極的に改善していく意欲と行動を自分自身で怠る者は、もはや居場所が保証されないということだ。働く上での意識改革は自分の存在理由を左右することになる。とりわけ次のような意識は即刻改めなければならない。こうした意識は社会全体が右肩上がりに成長する時代、単に自分が周りに同調しているだけで良かった時代には、ある種の処世とされてきた。しかし、今日こうした意識が組織内に蔓延している企業組織には存続さえが危ぶまれる。
・上意下達に慣れたマイナス意識
常に上からの意向に従っていれば安心という意識。この意識は自分が行動する段階で、常に「失敗したら…こまる」という思いが先行し、新たに課題にチャレンジできない。
・責任を常に転嫁して自己保身にはしる意識
 自らは行動せずに誰かが失敗した途端に「だからいったのに…」「そうなると思っていた…」という具合に評論家として立ち振る舞う。
・一般論の講釈や解釈で済ませる意識
実際の現場状況を無視して「本にこう書いてある」「誰かがこういっている」と自分の意見を持たずに他人の考えで周りを煙に巻いてしまう。
・「やっている振り」でお茶を濁す意識
行動を伴うことなく「できる振り」「やる振り」「やった振り」に終始する。

  誰しも過ぎ去った過去を変えることはできない。しかし、いま現在の自分の行動を変えていくことはできる。そこで必要なことは、「昨日を憂えず」「今日を驕らず」「明日を恐れない」ということだ。昨日を憂いていては、何も始まらない。今日の自らの行動を変えていく勇気を持ち、行動を開始することができる者には、一つの特長がある。それは、周囲の人びとの声に率直、謙虚に学ぶ姿勢を多く持っていることだ。
  働くとは誰かに頼っていれば安泰などというものではない。働くとは本来、自らの主体的行為であった。この観点を今一度思い起こすことだ。

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