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週刊Neue Fahne

2020年04月06日号

新人を「困った君」にしてはならない−10− いま自分が「何をなすべきか」を意識させる

 企業組織は一人ひとりが与えられた業務を忠実に行っているだけで、順調に業績が上がるわけではない。職位・職階に関わらず自分自身が経営に参画しているという意識で日常の業務を遂行しなければならない。「自分は経営者ではないから…」であるとか「自分は一人の従業員に過ぎない。管理的な立場ではない」という意識は、おのずと自らを部外者の立場に追いやることになる。
「部外者意識」はいつしか企業組織での自らの存在を否定してしまうことになる。仮に経営トップが優れた資質を持っていたとしても、一人で組織が成立するはずがない。企業が組織体として構成されるのは、同じ目的を持った者による相互の協働の意思によるものである。

  相互の協働の意思とは、決して正規・非正規という雇用形態によって左右されるものではない。いわゆる正規社員からパート労働にいたるまで、すべての構成員が一つの企業組織に集うからには、相互の協働の意思が必要とされる。個々の企業は激しく変化する市場環境に対して大所高所からの判断が迫られる。しかも判断にはスピードが不可欠である。優れた経営トップが個々の部門や部署で発生している問題を細部にわたって見通すことは難しい。
  そこで、企業の組織を構成する一人ひとりが自らに課せられている役割を目的意識を持って遂行しなければならない。そして役割遂行が経営に直結しているという信念のある発言や行動が必要となる。自分の判断が企業の帰趨を決するものであるという認識は、コンプライアンスにも通じるものである。

 役割意識と同様に企業組織での働き方では、「共同経営者」という意識が不可欠となる。ここでいう「共同経営者」という意味は、法律的な資本関係という意味ではない。あくまで意識性の問題である。企業組織における働き方とは、雇用形態にかかわらず独立した一人の企業人としての感覚で、自社の業務と自分の仕事内容を精査していくことが必要ということだ。経営の判断材料を提供していくのは、企業人としての自分自身の責任であるとの自覚、すなわち「経営者意識」を身に着けることが企業組織における働き方の基礎となる。
「経営者意識」のなかで何よりも重要となるのは、「仕事は会社(上司・先輩)から与えられるもの」と思わないことである。そして自ら生産的な仕事を創り出していかなければならないということだ。当然、仕事の選り好みなどは論外である。さらにいえば「仕事に“終わり”などあり得ない」と自らにいい聞かせることだ。

  常に自分の仕事を企業の業績との関連で位置づけて、付加価値を持たせていくことを意識するならば、不要不急の事柄にダラダラと時間をかけることの無意味さを自覚することにもなる。瑣末な事柄でいえば仕事が与えられるまで「口を開けて待っている」などという行動の無意味さもわかってくる。利益共同体としての企業組織では「指示がなければ待機している」などということはありえない。
  常にいま自分が「何をなすべきか」を意識し、主体的かつ能動的な 行動意思を前面に押し出していかなければならない。自分自身に自主的な行動意欲がなければ仮にどんなに「量」をこなしたとしても所詮それは作業であり、単なる時間労働の消化に過ぎない。

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