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週刊Neue Fahne

2012年01月10日号

「コスト意識」の感覚を磨き仕事の質を高める

 P.F.ドラッカーは「およそ企業の内部には、プロフィットセンターはない。内部にあるのはコストセンターである」(『Managing for Results』 1964年)、「組織の内部に生ずるものは、努力とコストだけである。企業にはプロフィットセンターがあるかのごとくいわれるが、単なる修辞にすぎない。企業には“努力センター”があるだけである」と喝破する。

 会社での働き方では、当然と思って来た会社の常識に対して、常に「問題点」や「矛盾点」そして「疑問点」を持ち続けることが重要となってくる。例えば会社の「コスト」に対する意識の問題だ。固定費や変動費のなかで無駄な部分を見直し、コストダウンを図ることは大切なことだ。損益分岐点を低くするために大切な条件だからである。コストは固定費や変動費など直接支出されるものだけではない。単に目に見える直接的な支出だけではなく、「時間ロス」「クレーム発生」「機会の逸失」など、表面的には見えない問題を察知して改善行動に日々に取り組んでいく必要がある。

 時間ロスは、こんなところにも表れることを自覚しなければならない。10人のメンバーが参加する会議で1人が10分〜15分程度の遅刻でも、他の9人もこの時間を無駄にすることになる。たかが10分〜15分と言うなかれ。10人分×10分〜15分では2時間以上もの時間が無駄にしてしまうということだ。「クレーム」も同様だ。一つのクレームに対応する労力や時間を考えると、クレームの削減に努めることは極めて重要なコストダウンの施策であることがわかる。取引機会の損出によっても会社利益は失われる。面倒、忙しいといった「油断」は、取引のチャンスを損ね、得られるはずだった売上もなくなってしまう可能性もあるのだ。

 社員一人ひとりの「コスト意識」の有無が、会社の利益、ひいては社員の給料に反映されるのだ。問題は、何が本当に必要なコストで、何が余計なコストなのかを見極めることである。そして、それができるのは、現場での様々な業務の観察を通して問題点を察知する感覚だ。
 社長一人で会社のすべてを把握できるわけではない。今より安い仕入先があるかどうかは仕入担当者が、外注に出す必要がある程の仕事かどうかはその仕事の担当者が一番詳しい。会社組織は常に社員に対して「コスト意識」を持つよう訴えている。それは会社組織のすべてのコストで成り立っているからだ。

 自分は「バックオフィス(管理部門)なので、会社のプロフィット部門ではない」などいう意識絶対に持ってはならない。同時に管理部門は「コストセンター」だなどと思うこともない。会社組織の利益部門は、会社の外部にしか存在していないのである。そこで、一人ひとりに問われてくる行動とは、会社の先行きを把握し内部努力を推し進め、今おこっている情況を観察して、次に起りそうなことを事前に察知することでもある。つまり、これまで当然と思って来たことに常に「疑い」を持ちながら「問題点」や「矛盾点」に気づいていく視点を磨くということだ。

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